『商人竜馬』 [読書日記]
津本 陽 『商人竜馬』 (2009年11月、日経ビジネス人文庫)
昨年末から年初の冬休みに司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読みました。 一昨年の慰安旅行で京都方面を旅した際に、竜馬にゆかりの深い史跡や展示を見たのが遠因。「竜馬伝」放送の番宣が直接のきっかけ。 近所の本屋で大人買いして一気に読み飛ばしました。 ま、それだけ面白かった訳です。(家族には「遊んでくれない!」と不評でしたが。)
聞けば会社の仲間の山本氏はもう5~6回ぐらい繰り返し呼んでるとか。(ちなみに今は武蔵がマイブームだそうです。)
司馬さんの描く竜馬は維新の志士の一人であり、政治的な側面と志の高さが生き生きと描かれており、人間としての圧倒的な大きさが印象に残ります。 というより、あれを読んで竜馬のファンにならない人はいないんじゃないかなとさえ思われます。
今回読んだのは津本陽さんの竜馬像。 新しい国づくりを目指しながらも、それを最終目標とせず、その上で竜馬が一番やりたかったのは「商い」。 商人を志した人物として描かれた竜馬がその仕事の成果に一喜一憂する姿はなんとも人間臭いです。 交渉上手で、狡猾で、時には無防備クンで、情に厚く、嫁をこよなく愛しつつも手を焼いているといった側面は中小企業の社長さん達の姿とダブって見えてきます。 数多の歴史資料を整理しつくした津本さんの名作です。
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